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元司書長が幻想入り 第三話

帰る場所がないということは、とても自由であるということ。


自由であるということは、とても寂しいこと。



これは、幸せを掴めなかった少年と、幻想郷の住民たちとの物語。
「・・・・・幻想郷?」

幽々子に連れてこられた場所は、広い居間ような場所だった。座布団がひいてあるだけで、開けっ放しの障子からは、先ほどとおった廊下と、綺麗な中庭が見える。

「ええ。それが私たちの世界。そして、今あなたがいる世界よ」

ユーノと対峙して座る、西行寺 幽々子は桃色の髪を撫でながら答える。

「・・・・ふむ・・・・・」

「?あまり驚かないのね」

あごに手を当て、考え込むユーノに幽々子は言う。

「え?・・・・・あ、はあ・・・・・確かに聞いたことない名前ですけど・・・・とりあえず言葉は通じるみたいだし、別の世界で見た景色と似た部分がこの世界にはありますから」

「・・・・・ふぅん?普通は自分たち以外の世界があったことに驚かない?」

「いえ・・・・幼いころから宇宙には僕たち以外の世界が無数にあることを知らされていましたし、僕自身いろんな世界に行ってますから」

「あら?」

ユーノの返答が意外だったのか、幽々子は驚く。

「じゃああなたは世界と世界を行き来できる程度の能力でも持っているのかしら?」

「・・・・条件がそろえばできます、ね。ただ・・・・」

「?」

ちょうどその時、

「失礼します」

妖夢がお椀に茶碗を二つ乗せて廊下から現れた。

「幽々子様、お茶が・・・・」

「あら、ありがとう妖夢」

妖夢は幽々子に軽く礼をし、持ってきたお茶を幽々子とユーノに渡す。

「あ、どうも・・・」

「いえ。・・・・では、失礼します」

用を済ますと、二人にもう一度一礼して妖夢はどこかへ消えていった。

「・・・・・彼女は?」

「妖夢のこと?彼女は・・・・・まあ庭師よ」

「・・・・二刀流の庭師ですか」

イメージと合わないなあと呟くユーノ。

「そんなことよりも・・・・」

「?」

「これからのあなたのことについて話しましょうか」

「・・・・はい」

にこやかな顔から、急に神妙な顔になった幽々子を見て、ユーノも改めて畏まる。

「簡単にいえば、今のあなたは元の世界では無かったことにされているわ」

「無かったことに・・・・?」

「ええ、過去、記憶、あなたが残してきた軌跡はいまごろすべて消え去っているでしょうね」

「・・・・・」

「この世のすべてから忘れられたモノ・・・・・・それは幻想と呼ばれ、この世界に運び込まれる」

「だから、幻想郷・・・・?」

「・・・・まあ詳しくは私にも分からないんだけれど」

「・・・・では僕は、元居た世界から忘れられてここに?」

「その可能性は低いわ」

「あれ?」

いったん会話を切り、お茶をすする幽々子。

「・・・・少なくともあなた自身がそれを証明してるわね」

「僕自身が・・・・ですか?」

「ええ、自分から動いたり接触できないモノはともかく、あなたは自身で行動ができる。そういったモノは、完全には消え去ることはとても難しいの。生まれてきてからあなたと接したものすべての記憶から消え去るなんてことはね」

「・・・・・・じゃあ、なんで僕はこの世界に?」

「簡単よ」

そういい、ユーノから視線を外し、何もない空間を見つめだす幽々子。

「・・・・・いるんでしょう?紫」

「・・・・?」

幽々子がそう言った瞬間、先ほど幽々子が見つめていた空間に一本の線が現れた。

「!?」

「さすがね。いつから私が覗き見していると?」

その線が中央から上下にわかれ、楕円型の形になったと思うと、金髪の女性の上半身が楕円型の物体の中からひょっこり出てきた。

「・・・・・へ?は?嘘?な、にこれ・・・?」

いきなりの女性の登場、そしてその仕方に、驚くユーノ。

「・・・・・まあ、長い付き合いだし」

「ふふ、そう言うことにしておくわ」

目を丸くするユーノにかまうことなく、幽々子と女性は挨拶を交わす。

「・・・・・・っこ、れは・・?いったい・・・・?」

ちなみに、今のユーノの目には、空中に一本の線が走り、その線から女性の体が突き刺さっているかのように生えているという、シュールな光景が映っている。

「あら?あなたの世界にはこんな移送手段はなかったのかしら?」

口をあけて、唖然とするユーノを見てくすくすと笑う紫と呼ばれた女性。

「・・・・・あなたの場合、移動手段も何もないでしょうに・・・」

「・・・・まあそんなことどうでもいいわ。・・・・そんなことよりも、私に聞きたいことがあるんじゃなくて?」

「・・・・えぇ。・・・・あなたでしょう?彼を連れてきたのは」

ユーノを見ながらそういう幽々子。

「そうよ」

「そうよ、って・・・・」

「だって事実ですもの。否定する必要がないわ」

「・・・・・だとしたら、なぜ?意味もなくこんなことするアナタじゃないでしょう?」

幽々子の言葉に少し気を良くしたのか、

「分かってるじゃない」

微笑みながらそう言う紫。

「あ、あの~」

「?何」「何かしら」

気まずそうに、口をはさむユーノ。

「あなたが・・・・・僕をここに連れてきた張本人・・・・なんですか?」

「・・・・・聞いてなかったの?さっきそう言ったじゃない」

呆れ顔でそういう紫。

「・・・・・それで、結局理由は?」

「・・・・・そうね・・・・」

一瞬考えるそぶりを見せて、紫は

「今はまだ言えないわ。言ったところで彼が理解できないもの」

そういいながら、体を楕円状の円の中にひっこめながら、

「だけど覚えておいて。・・・・・私は、誰よりもこの幻想郷を愛しているの」

そういって見えなくなった。

「・・・・・・」「・・・・・・・」

紫の姿が消えると、楕円状の円も、元の一本の線に戻り、そのまま空間に溶け込むかのように消えてなくなった。

「・・・・・あの女性は?」

紫がいなくなってから、ユーノが幽々子に尋ねた。

「え?・・・・あぁ、彼女は八雲 紫。私は紫って呼んでるわ」

「・・・・え、と・・・・じゃあ、さっきの・・・・・空間、といいますか・・・・その女性が入っていた?あの円みたいなものといいますか・・・・」

「あぁ、あれ?・・・・・まあ空間の裂け目みたいなものよ。スキマ、ってよんでるものもいるみたいだけど」

「はあ・・・・・中に、目や手みたいなものがいっぱい見えたんですが・・・・」

「時期になれるわ」

「・・・・・」

「・・・・・・・さて、結局あなたがなんでここに連れてこられたかは分からなかったけど・・・・」

「あ・・・・・」

再びユーノに向かって座りなおす幽々子。

「紫が意味もなくこんなことするとは思えないわ」

その根拠は?とは言わないユーノ。

「・・・・とりあえず今は様子を見ましょう。時期が来たら、きっと向こうからやってくるでしょうし」

「はあ」

そこまで話すと、幽々子は冷めたお茶を一気に飲み干した。

「そこでだけど・・・・あなた、これからどうする?」

「へ?」

「・・・どうせ、行く当てないんでしょう?」

「・・・・え?・・・・えぇ、まあ・・・・・とういか、行く当て以前に・・・・・まだ全然自分の置かれた立場が理解できてないといいますか・・・・」

「でしょう?」

先ほどまでの神妙な顔つきから、元のにこやかな顔に戻った幽々子。

「・・・・・とりあえず・・・・・妖夢~?」

「ここに」

呼ばれたとたんユーノの背後に現れた妖夢。

「・・・・とりあえずはここに泊めてあげるわ。・・・・その間、彼の世話をお願い、妖夢」

「ご命令とあれば」「へ?」

特に嫌な様子もなく言う妖夢と、驚くユーノ。

「とりあえず、適当に空いている部屋に案内してあげて。・・・・・それから・・・・布団と・・・・後この屋敷の説明と・・・・」

「ちょ、ちょっといいですか?」

「?何かしら」

指を折りながら考える幽々子に、ユーノがたずねる。

「・・・・何か・・・・僕、ここに泊まることになってません?」

「そうだけど・・・・嫌だったかしら?」

幽々子のその言葉に、一瞬ピクリと反応する妖夢。

「い、いえ!そんなことはありません!」

「そう?」

「は、はい!・・・・・ただ・・・・いきなりいろんな起こって・・・・・僕も何がやら・・・」

頭を抱えるユーノに、

「大丈夫よ」

微笑みながら幽々子は言う。

「これからもっと分からなくなるんだから」










そして、ここからユーノの幻想郷での生活が始まる。






~続く。


















コメ返ー

>みづつきさん
早速イラストお持ち帰り&貼りつけしました~wそして、リンク登録ありがとうございます!これからもよろしくです!
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