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ユーノとソラ その五

なんか風邪薬って実はただ症状を抑えるだけのモノらしいですね。

本当に風菌をやっつける風邪薬を発明したらノーベル賞もんだとか。

・・・・・まあどうでもいいですがね。

ってことでユーノとソラ、最後になります。
終わりがないものなんてない、ってよく言われる。

だけど、私は思うの。

終わりっていうのは、次に進むための通過点に過ぎないって。

・・・・・・ま、まあ・・・・要するに、ずっと続いて行くもんなのよ、この世界は。













少女は願った。


終わりを。自らの死を。


それは少女にとって、少女が考えうる最善の策だったのかもしれない。


終わることのない苦痛、襲いかかる恐怖。


それは、少女が耐えうるには、あまりにも残酷で。


・・・・きっと少女は、これから先も一人、苦しみあがくのであろう。






「・・・・・ソラ・・・・・」


――――だが、少女は一人ではなかった。


「・・・・僕は・・・・君の願いを・・・・・」


――――たとえどんなに重い苦しみでも。


「・・・叶えてあげることは・・・・・できそうにないよ・・・・」


――――二人で担げば


「・・・・そうよね・・・・私もいやよ・・・・ユーノが、人殺しになるなんて」


――――きっと軽くなる。


「まあ・・・・私は人じゃなくて、機械なんだけ」
「違う」
「え?」


「・・・・そんなことを、僕は言いたいわけじゃないんだ」
「・・・・・」
「別にソラが人だろうと、機械だろうと、そんなことはどうでもいいんだ、僕にとっては」
「・・・・私が、気にするのよ」


ユーノの顔を、ソラはみることができなかった。


「・・・・・確かに、自分が消えちゃうなんて、考えたこともないし、考えたくもない」


なざなら、きっと彼はほほ笑んでいて、


「君の苦しみを・・・・僕は救うことはできないのかもしれない」


そんな彼の顔を見てしまったら


「だけど・・・・・僕は・・・・」


きっと、そばにいたいと、生きたいと


「君と・・・・一緒にいたいから」


そう思ってしまうに違いないから。


「限りある時間だからこそ、僕は、最後の一秒まで・・・・許される限りの時間の中で」




「君と・・・・・ソラと」



「一緒に過ごしていたい」



それは、きっとユーノの本音。


「・・・・・我がままなのはわかってる」


だけど、それはソラのことを思えば、言うべきではなかったのかもしれない。


「君の痛みも、苦しみも、僕は何もわかっちゃいないし、理解することもできない」


それでも、彼は


「だけど、痛いなら治してあげる。寂しいなら、そばにいてあげる」


彼女に伝えたくて。


「僕が君にできるすべてのことを、いつでもやってみせる」


君を、出来る限りの力で、救いたくて


「だから・・・・・」





「・・・・なんか、照れるわね」
「・・・え?」


そんな彼を、ソラは笑って見つめ返す。


「・・・・何?告白?」
「・・・・は?え?」
「あんたがさっきから言ってるセリフ、告白みたいに聞こえるんだけど」
「あ、う、その、なんだ・・・・」
「・・・冗談よ」


きっと、これから先彼女は苦しみ続けるのかもしれない。


「・・・・・・約束、してくれる?」
「え?」


それでも、彼女も心のどこかでは生きたいと、そう思っているから。


「私が呼んだら、一番に私を優先してくれるって」
「・・・・・君が、それを望むなら」
「じゃあフリージアは?」
「へ?」
「それにコハクさんも。あと・・・・・あんたの幼馴染。友達に・・・・」
「ちょ、ちょっと?」
「?なによ」
「え~・・・っと・・・・・つまり・・・その・・・・・」
「世界中のだれよりも、私を優先してくれる度胸はあるのかしら?」
「・・・・・・う・・・・・」


ソラのセリフに、言葉の詰まるユーノ。


「・・・・はあ・・・・・ほんと、甲斐性なしなんだから」
「・・・・うう・・・」


あきれたように、溜息をつくソラ。


「・・・・冗談よ」
「へ?」
「・・・・でも・・・・なるべく早く私のもとに来ること!・・・・私が・・・・ユーノを・・・・必要としたら・・・・」
「・・・・当然」
「・・・・・・・・はあ」






「ま、あんたがそれを望むなら・・・・私も頑張ってあげるわ」
「・・・え・・・・?」


キョトンとするユーノに、顔を真っ赤にするソラ。



「~~~~っだから!こ、ここに・・・・・いてあげるって言ってんの!!!」
「!!」


「・・・・あ・・・・・」


自分でもびっくりするぐらいの、大声。


「・・・・・そ、その・・・・」
「~~わかったら、さっさと出て行って!!今何時だと思ってんの!?」
「へ?いや、ちょ」
「・・・・・ありがと
「・・・・え?」


追い出される感じで、部屋から出ていかされるユーノ。

「・・・・はあ・・・・・全く・・・・」
「・・・・そ、その・・・・え~っと・・・」
「ありがとね」
「え?」
「・・・・・・そして・・・・よろしくね。これからも」
「っ、・・・・もちろん」




「・・・じゃあ、また明日。・・・っていっても、もう十二時回ってるけど」
「はは・・・・・」

「じゃ、後ほどね」
「うん、おやすみ、ソラ」

「・・・・おやすみ、ユーノ」


そういって手を振る彼女は、とても綺麗で、とても可愛らしい笑顔をしていた。










――――――――そしてそれが、ユーノの見る、最後の彼女の笑顔だった。































~エピローグ~


ソラが、純粋な機械となって、一日が過ぎた。

つい最近までは、笑ったり怒ったりしていたソラは、もうどこにもいなく、そこには自我を失った少女の形をした機械が浮いているだけだった。




「・・・・・知って、いたんですか?」
「む?」

無限書庫での勤務中、ユーノがコハクに問いかける。

「・・・・ソラのこと、です」
「・・・・・・あぁ」

ユーノの問いに、コハクは目を細めて言う。

「・・・・・私は常にこの無限書庫にいるからな。・・・・・彼女が・・・・一人苦しむことを知っていた」
「・・・・なぜ、今まで黙っていたんです?」
「・・・・・」
「前に、コハクさんが獏に見せたい試料があるって言ってましたよね?」
「・・・・あぁ・・・」
「でもそんな資料はなくて、代わりにこんな手紙が置いてあったんです」

「『今夜、深夜過ぎに無限書庫に来い』、って」
「・・・・・」
「・・・・なんで、もっと早く教えてくれなかったんですか?」

そういい、ユーノはコハクを見つめる。

「・・・・彼女から・・・・口止めされていた」
「え?」
「・・・・・ソラから・・・・みなには黙っていてくれとせがまれてな、黙っていたんだが・・・・・・」
「・・・・そう、だったんですか・・・・」
「・・・・・・こんなことになるなら、もっと早くお前に伝えるべきだったのかもしれん」

そういい、コハクは元はソラだった機械を見つめる。




「ソラさん、この資料に関することでちょっと調べたいんですが・・・・」
「かしこまりました。何を検索しましょう?」
「え~っとですねー・・・・・この文章に対して関連する項目を探してもらえますか?」
「了解しました。・・・・只今検索中です、少々お待ちください・・・・・」






そこには、司書の質問に対し、ただ淡々と答え、感情の亡くなった機械が浮いていた。


「・・・・・・あれが、ソラの言っていたかつての自我なのかな・・・・・」

ただ単にデータによってプログラムされただけの受け答え。それを自我と呼ぶにはあまりにも違いすぎた。

「・・・・・もともと、かつての自我などなかったのかもしれんな」
「・・・・・え・・・・?」

「なんらかの事故によって、機械に自我が目覚めた・・・・・そんな夢物語だったのかもしれん」
「・・・・・・」


答えなど、どこを探してもなかった。しかし、いずれにせよ存在したのだ。自我を持った、機械が。


「・・・・コハクさん」
「・・・・なんだ?」





「きっと、またいつか・・・・会えますよね?」




「・・・・・・・・・・・あぁ、きっと、会えるさ」




そういって、二人は機械を見る。かつて、いや、今もソラと呼ばれるモノを。




















「・・・・ご利用、ありがとうございます。ご用件は何でしょうか?」










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コメント

No title

ソラが可愛すぎる!
切ないお話でしたがすごく胸にジーンときて良かったです!
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