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ユーノとコハク その四

これにてコハク編は終わりです。あとは、ソラ編、フリージア編を書いてこの物語は終わりです。あともうちょっとだけですが、読んでもらえたら嬉しいっす。
どれだけ博識であろうと、自分の気持ちというものは計り知ることはできない。

感情をコントロールするということは、長い年月をかけて身につくものだ。




・・・・・そう、お前達が、そのことを私に教えてくれた。




























彼女の眼は、まっすぐに僕を見ていた。


「・・・・・・これが、私の真実だ」


いつも通りの声でしゃべる彼女。だけど、いつものあの毅然とした態度は今の彼女からは感じられない。

不安、期待、焦り、待望・・・・・・さまざまな感情が、きっと今彼女の中でうめきあがり、彼女の心を押しつぶしている。

そんな彼女を見ていられなくて、

「・・・・・コハクさん」

彼女には笑っていてほしくて、

「・・・・・なんでそんなことを今まで・・・・」

だけど僕はそんなことしか言えなくて、そんな自分に腹が立って、

「・・・・・隠していたの・・・・?」

思わず彼女から目をそらした。

「・・・・・さて、な。言う必要が、なかったから。・・・・・これが答えかもしれんな」

そんな僕を見て、彼女も僕から目をそらす。

「・・・・ユーノよ」
「・・・・なんですか?」
「単刀直入に言おう」
「・・・はい」
「今の話を聞いた上で・・・・・」











「・・・・お前たちにとって、私という存在は、なんなのだ?」


























「・・・・あれ?まだ帰ってなかったの?」
「・・・・ソラさん」
「今日の仕事はもう終わったわよ。・・・・・・っていうか、ユーノは?」
「ユーノさんなら・・・・・コハクさんに会いに行きました」
「は?なんでまた」
「・・・・・きっと、大切なお話があるんだと思います」
「・・・ふ、ふ~ん・・・・よく分からないけど・・・・・・大切なお話、ね・・・・」
「・・・・・はい」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・で、アンタは何してるわけ?」
「待ってるんです」
「ユーノを?」
「はい。・・・・・それと・・・・」
「?」
「コハクさんも、です」






















「・・・・・・」

彼女が、僕に尋ねた想い。

「・・・・・・」

きっとそれは、世界中の知識を得たとしても得ることのできなかった答え。

「・・・・・・コハクさん」

だけど、実はそれに答えなんて無くて。

「正直、今の話を聞いたところで僕には・・・・・その・・・・スケールが大きいというか・・・・・」
「まあ・・・・いきなりにこのようなことを言われたところで戸惑うのは当たり前であろうな」
「はい」

だけど、確かな返答は、僕にはあった。

「だけど」
「?」
















「コハクさんには・・・・傍にいてほしいです」

「・・・・・・・」

「えっと・・・・難しいことは分からないんだけど・・・・・」

「・・・・・告白、か?」

「・・・・へ?」

「ふむ、それはそれは・・・・こちらとしても困ったこ」

「ち、違うって!!!こ、告白なんかじゃなくて・・・・・」

「うむ?」

「・・・・・純粋に・・・・今まで通り・・・・・・コハクさんには、無限書庫にいてほしい」


僕たちを見て、微笑む彼女。


「それは、仕事などといったものと関係なくか?」


そんな彼女を見て、微笑む僕ら。


「はい」


どんなに厳しい職場だとしても


「コハクさんのいない無限書庫なんて、無限書庫じゃないです」


皆がいるから、みんな頑張れるから。



「・・・・・・・・そうか」
「はい」


僕の言葉に、彼女がどう思ったかなんて、僕には分からなかった。



「・・・・・・・」
「・・・・・・・」


だけど、再び顔を上げた彼女を見たとき、



「・・・・・・・帰るぞ」
「・・・・・・・うん」


そこにはいつものコハクさんがいたから。僕は、これできっと良かったと思う。



























~エピローグ~




「・・・・・・ん~・・・・」

次の日の昼下がり、ユーノは見たこともない本と、にらみ合っていた。

「?何をしている?」
「あ、コハクさん。・・・・ちょっと、調べものしてたら見たこともない本が出てきてさ、何だろうと思って」
「・・・・・ふむ、それは興味深いな。どれ、見してみろ」








「・・・・・」
「な~に見てんのよ」
「!?っひゃ」

何やら面白そうに会話するユーノとコハクを影から見ていたフリージアに、急にソラが話しかける。

「べ、別に何も見てないですよ」
「ふ~ん・・・・?・・・・・ま、いいけど」
「・・・・なんですか、その眼は」
「別に~?・・・・ただ、仕事の時ぐらいユーノを独占しなくてもいいんじゃない?」
「・・・・へ、へ?な、ななな何を言っているんですか~?」
「なんでもー。・・・・・心配しなくても、ユーノとコハクさんはそんなんじゃないわよ」
「な、何でそんなことを私に言うんです?」
「・・・・・ふふ」
「!?わ、笑いますか?そこで・・・・・・」





「・・・・おい」
「ん?」
「気づいているか?」
「へ?何に?」

こちらから丸見えなフリージアとソラを見て、ユーノにささやくコハク。

「・・・・・いや、なんでもない」
「?」

しかし、ユーノは何も気づいてません。相変わらず。


「・・・・私とユーノはそんなんじゃない、な」
「うん?」
「・・・いや、何か聞こえただけだ」
「・・・はあ・・・・」

未だ騒いでいるフリージアとソラを横目に、

「ユーノ、まつ毛にごみが付いているぞ」
「へ?」
「ふむ、とってやるから両目を閉じろ」
「・・・・?はあ」

コハクは―――――








IMG_0001_20090622185005.jpg














「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・な」

「なにやってんのよーーー!?」
「なにしてるんですかーーーー!?」


「!?フ、フリージア・・・・・それにソラまで・・・・」
「ここは仕事場よ!?分かってんの!?」
「そうです!破廉恥です!」
「ちょ!?なんで僕が!?コハクさーーーん!?これはいったいどういうことですか!?」
「やかましい!それはこっちのセリフよ!!」
「ですよ!」
「ひぇ~~~!?」


ユーノにつかみかかるフリージアとソラ。


「まったく・・・・・」



そんな様子を見て、コハクは








「お前たちがいて良かったよ。本当に」





にっこりとほほ笑むのでありました。












~つづく
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